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2008年10月30日

●木の割れ

未乾燥の木材(グリン材)の割れは、欠陥ではない――そんな判決が確定したことが分かった。

業界の新聞を読んでいるとこんな記事がありました。

この裁判では、建て主から木造注文住宅を請け負った住宅会社が、その建築現場にグリーン材を納入した木材業者を訴えていた。
納入前の見積書には「米松GRN材」という表記があったが、住宅会社は「その表記では何の意味か分からなかった」と主張、
グリーン材が割れたことで生じたとする損害の賠償を求めていた。
というもの

☆グリーン材~未乾燥材のこと、それに対して、乾燥材はKD材とかSD材とか言われる。

●住宅会社の主張
・総額3500万円の木造住宅を個人の建て主に引き渡した後、建て主から「木材の割れる音が絶えず、不安を感じる」、「建物が緩やかに揺れ続けている」というクレームを受けた。このクレーム対策として1600万円の補修工事を実施した。
・割れるような木材を注文した覚えはない。この補修工事の原因はグリン材が割れたことにある。

●木材業者の主張
・見積書には「米松GRN材」などと記している。
・グリン材が乾燥で割れるのは当然。多少割れても強度的な問題はない。取り替え工事は住宅会社側の過剰な対応だ。

●裁判所の判断
・請求を棄却する。訴訟費用は原告(住宅会社)の負担とする
・住宅会社は、もともと『グリン材』という言葉は知らず、木材業者から構造材にふさわしくない材を納入されたと主張しているが、それは、住宅会社関係者が建材に対する知識や配慮を欠いていたことを示しているだけに過ぎない。
・グリン材が『安価だが十分乾燥していない含水率が高い木材』であることは建築業界の一般常識。
・一般的に、木材には乾燥収縮による干割れなどが生じる。グリン材ではより起こりやすいのは確かだが 貫通割れがなければ強度上の問題はない。

こういった内容、結果の裁判なのですが、これに要した年月、
な、な、なんと! 4年。

建築業者が和解に応じなかったというのが理由だそうですが、「なんだか変な裁判!!こんなことに4年もかかったなんて・・・・なんて情けない!!といわざるを得ない!!
業界の人間であれば「そんなの常識!」っていう話ですよ。

「木は割れるのは常識!」割れたからといって強度が落ちるわけはないし、古民家なんか見ても割れてるでしょ! 
あれで100年経ってます。200年経ってます、って言っているんですから。
本当のことん何ですよ。

木は乾燥する課程で収縮、その時に内部と外部の収縮率の違いで“割れ”が起こる。
これはいわゆる“芯持ち材”と呼ばれる木の真ん中で製材した材に特に多く見られるのですが、
それ以外の材でも割れるときには割れます。

私も製材所時代にそういうのはいやになるくらい見てきましたから。



問題になるとしたら
まず、その建築会社がグリーン材を平気で使っていたこと。
KD(乾燥)材に比べて単価が安いので使っていた、というのが本音でしょうが、表記の意味が分からなかったなんてプロが言うべきではありません。

もしも本当に分からなかったのであれば、その建築屋は即刻看板を下ろした方が良い!
大金を支払うお客様にとって、プロのふりをした素人はいらないから。

きつい言い方のようですが、それくらい重要な問題ですよ。これは!!
キッチンの型が分からない、というようなこととは違いますから。

もう一つの問題
お施主様にきちんと説明していなかったこと。

業者と違ってお客様はあくまで素人。
グリーン材だとかKD材だとか言っても分かる人はほとんどいないし、ましてや木が乾燥しているかいないか、もしくはそれが重要なのかそうでないのか、分かるはずもありません。

木は割れるもの、曲がるもの、ひねるもの。
いくら乾燥材を使ってもそういうことは起こりうることです。

弊社では木の家を建てるときには必ずこういうことをご説明します。

木は曲がったり、割れたりといろんな欠点があります。でも、それ以上にあなたにとって優しい素材であったり、呼吸してくれていてあなたの健康にプラスがあります。
要はプラス面、マイナス面をきちんと説明すること。
これが抜け落ちていたのが問題ではないのかな、そんな感じがします。



でも・・・このことは書こうか、書くまいか迷ったんですけど

きっと、お施主様から「木が割れる音がして不安で仕方ない。」というクレームを受けた建築業者が補修工事を行い、それにかかった費用を下請け業者である材木業者へも負担させよう、と考えたからではないか?

「これからも仕事が欲しければ、ワシの言うことを聞け!」みたいな脅迫めいたことは、お客様の顔ではなくてお金の方を見ている業者にはありがちな話ですから・・・・・


木は建築材料として最高の部材です。
それを間違った使い方をしたり、きちんと説明をしたりしないからこんなことになる。

この業者へは言いたいことは山ほどありますが、書けば書くほど腹が立ってきますのでもうやめます。


それにしても変な裁判、と思うのは私だけでしょうか??

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