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2008年10月16日

●断熱材の厚みと断熱性能

先日空間工房の森本君と一杯やった話、
「楽しかったーーー」んだけど こんな話もでていた。

「いやねー、ウールブレスなんですが、使ってくれるのはありがたい。
でも、ただ使えば良いというもんじゃないでしょ!?」

話を聞いていると、
ウールブレスを使いたいというお客様からの要望があったという工務店さん。
お客様からの直接の要望なので、高いけど使おうということになったらしい。

ここまでなら「良かったがなー」で終わるんですが、そうでもない。

「使ってくれるのは良いんじゃけど、ウールブレスの中で安いののはどれなら?ですよ。」
使うのは使うけど、そんなものに興味はないから、とにかく安い分を行けばいい
というお考えらしい。

うーん・・・やっぱそれじゃーねー?



私のブログを最初から呼んでくださっている方ならすぐ分かると思うのですが
断熱材は、それさえ使えばいいというもんじゃない。

このことは以前「断熱材のR値」の項で詳しく書いたのですが
復習のためにもう一度

断熱材には“熱伝導率”というものがあります。
これはどれだけ熱を通しやすいか、という性能を表すものです。

たとえば10kのグラスウールのそれは「0.05」
ウールブレスのそれは「0.037」

この数値は熱をどれだけ通しやすいか?を測るためのものですので、
数値の低い方が性能が良いということになります。

だからこれだけ単純に見ると「やっぱりウールブレスの方が偉い!」
ということになるのですが、これではダメなんです。



最初に申し上げたとおり、断熱材には厚みがあって、その厚みによって性能が違う。
当たり前のことなんですが、そうなんです。

それを表したのが「R値(熱抵抗値)」なんです。

このR値の出し方、実に単純
    厚み(1mを1とした)割る 熱伝導率
これだけ。

それを元にして先ほどのGWとウールブレスの性能を出してみると
(GW100ミリ、ウールブレス60ミリで出してみます。)

  0.1 ÷ 0.05 = 2.0  (グラスウール10k 100ミリ)

  0.06 ÷ 0.037 = 1.62  (ウールブレス 60ミリ)

どうですか?
こうしてみるとウールブレスの方が断熱性能が悪くなります。

100ミリを使えばその数値は「2.7」となり次世代省エネ基準でさえクリアできるのに
60ミリでは少々性能的に見劣りしてしまいます。

もちろんウールブレスの良さはこのことだけではないのですが・・・・



森本君が愚痴るわけがおわかりいただけたでしょうか。?

このように断熱材は、その厚みも考慮した「R値」で見るのが正しいのです。



でも・・・・
詳しく話し出すと、実はもう一つあるんです。

それは[Q値(熱損失係数)」

家の断熱を考える場合、断熱材のことばかり言われますが、
充填断熱(よく内断熱とよばれるもの)の場合、間には柱があり、その場所は断熱の性能が違います。
もちろん窓だってあります。

そうして考えた時、断熱材だけでは語れなくなります。
Q値は、そうしたもの全ての熱抵抗を考えあわせ、家全てについて計算をしていきます。

その計算は
Q値 = 家全体における(伝導による熱損失量+換気による熱損失量)/のべ床面積
となります。

計算自体は単純なのですが、何せ時間がかかる。
大手ハウスメーカーのように型式が決まっているものや、専属の人がいるならともかく
中小の工務店にとってはなかなか面倒なもの。(といってはだめなんでしょうが・・・汗)

だから一般的には“見なし”として断熱材の性能が、熱抵抗値2.2以上(壁の場合)
とか言っているんです。(次世代省エネ基準 Ⅳ地域の場合)

ちなみにこれは、お国が定めた基準です。



そういった意味から考えると、専門家同士で話しているのならともかくとして、
一般のユーザーの方は、R値なので考える方がよっぽどわかりやすいと、私は思います。

だってそうじゃあないですか!?
Q値だのC値だの言われても、何か煙に巻かれているようで、分かりにくいでしょ。
それだったら、国が定めた次世代省エネはこういう基準ですが、それを超えるこれだけの数値ですよ
と言われた方がよっぽどわかりやすいでしょ。



いつも申し上げているとおり、この話をし出すと、本をそのまま持ってこなくてはならなくなりますので
とにかくなるべく簡単に、わかりやすく書いています。

ですから、C値やμ値の説明がないとか、あまりに簡単すぎる
というご批判は勘弁してください。

ただ、単純によく分からない、という方は言ってくださればご説明します。




長い長い記事、最後まで読んでくださり、ありがとうございます。m(_ _)m
(これでも一生懸命に短くしました)

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