●「結露」ってなあに?
しばらくあきましたが、また断熱のお話です。
今までは断熱に絞ってお話ししましたが、今回は断熱と切っても切れない結露のお話です。
上の表題、「人をバカにしとるんか!?」と言いたくなりますよね。
結露を知らない人なんていない、本当にその通りです。
でも、結露の原理を説明してよ、と言われてきちんと出来る人はほとんどいないんです。
なんか、家の話から科学の話になっていってしまうのですが、「なんで結露するのか」
それがきちんと分かっていないと、その対策なんて取れるわけないでしょ!?
この本は、私が結露、断熱を勉強する時必ず参考にする『南雄三』先生の「sui suiわかる結露の本」ですが、この他にも先生は断熱に関する本を何冊も発刊されている、その道の権威です。
今回はこれを元に書かせて頂きます。
まず結露を知る前の予備知識。
1.空気中には水蒸気が含まれている。
2.温度が高いほど空気中に持てる水蒸気の量は多くなる。
(逆に、温度が低いと持てる水蒸気量は少ない)
小学生に説明するような話ですが、特に2番は重要です。
さて結露の原理を勉強してもらうために今ここで空気の粒をグラスにたとえます。
図1は気温20℃、湿度60%の状態です。
この状態では、20℃という大きなグラスに入っている水は安定しています。
これが先ほどの「温度が高いほど持てる水蒸気の量は多い」 → グラスが大きい、と言う状態です。
次に図2ですが、何らかの要因で冷やされて12.2℃になってしまうと空気のグラスはは小さくなって、今まで入っていた水の量をもつのが精一杯になります。(飽和状態)
これが予備知識として書いた2番のカッコの状態。
温度が高い → 大きなグラス
温度が低い → 小さなグラス だが中に入っている水の量は同じ。
こういったことですね。
さらに図3では、さらに冷やされると → 益々グラスは小さくなる → 水がこぼれる。
これが結露です。
これを家に当てはめると、
部屋の中を暖房して20℃60%の状態にする。(図1)
↓
窓はシングルガラスで、断熱性能が悪いので、冷やされて10℃以下になる。(図3)
↓
結露して窓がべちょべちょになる。
こういう事ですね。
でも現実問題はもっと深刻で、
通常の家では石油ファンヒーターを使用する。
この暖房器具、実は大量の水蒸気を出している(あまり知られていないのですが本当です。)
↓
そこへ持ってきて、冬は乾燥するからと、やかんをかけたり、加湿器をかけたりする。
↓
あっという間に、湿度は80%以上になってしまう。
↓
ちなみに80%の露点温度は16.2℃(先ほどの60%では12.2℃だったのに)
↓
あっと言う間に結露してしまう。
↓
さらに悪いことに断熱の悪い家では
↓
寒いのでさらに暖房する。
↓
益々結露して、北側の部屋などの布団はべちゃべちゃになってしまう。
※湿度が高いと露点温度(結露する温度も高くなってしまいます。表を参照下さい。
(見にくい場合はクリックして、サムネイルでご覧下さい。)
このようになるわけです。
なぜ北側の部屋が?
ここで結露のもう一つの基本事項
3.目に見えない空気中の水蒸気は、 温度の高い方から低い方に移動する。
こういった理由から南側のリビングから北側の部屋に向かって水蒸気が流れ、
そこで冷やされ(露点温度になって)結露するのです。
専門的に書くと、絶対湿度だの相対湿度だの書かねばなりません。
それが正しい説明なのは分かっていますが、分かりやすくするため、あえてここではそれを書かずに
“結露のメカニズム”について述べてみました。
極力優しく書いたつもりですが
おわかりだったでしょうか??????
あまり書くと長くなりますので次回へ
次回はいよいよ断熱と結露の関係です。